目の前で見せ付けられた惨劇。
一箇所ヒビが入ったダムのように、亀裂が広がり続け、崩壊した守備。
愛するチームが、まるでトレーニング相手に呼ばれた格下チームのような扱われる屈辱。
プライドをズタボロにされた観衆達は、やがて、自陣の選手を無視して、ゴールを挙げる相手の選手に拍手をする地獄絵図。
こんな光景を前にしたブラジルサポの心境が分かるのは、悲しいかな、この世には東京サポしかおりやせん。
2007.10.28、多摩川クラシコ0-7の惨劇。
あの日、何が辛かったかかというと、ゴール裏で投げやりな笑いを浮かべ、相手選手に拍手を送るサポの姿を目にしたこと。
ピッチの選手の気持ちを思うといたたまれず、終了の笛を背中に聞きながら、座席を後にしたことが思い出されやす。
ただ、その経験があればこそ、サポーター道とは何かということを考えるようになったわけで、良い通過儀礼だったのかもしれません。
ブラジルの皆さん、どんなに苦しくても辛くても、飲み込みやしょう。
きっと、心から喜べる日が待っておりやす。
東京だって、多摩川クラシコの勝者が一度も掲げていない優勝カップを、惨劇の後、国立で三度も掲げることができたのですから。