2014-10-13 ザック老サッカーの危うし 2014年10月 #サッカー リーグ戦がなくて拍子抜けの週末、映画を観てまいりやした。 「柘榴坂の仇討」 桜田門外の変の後日譚として書かれた、浅田次郎原作小説の映画化。 円熟した主演の中井貴一に、脇を固める中村吉右衛門が素晴らしい。 日本人にしか分からない武士の論理思考を描いた秀逸な映画。 文明開化の契機となり、列強と肩を並べる礎となった明治維新も、 武士の目線で言えば、至極、理不尽極まりない災厄のようなもの。 明治維新とは、藩という全ての根幹となる生活基盤を失った武士が、 新しいルールと生き方に対して、折り合いを付けていく過程の出発点。 思い切り拒絶して受け入れを否定したくなる境遇も真っ直ぐに正視し、 きちんと呑み込み、私欲を捨て、最善の人の道を選ぶのが武士の論理。 日本の根底にある、そうした武士の論理思考を理解できなければ、 他国ではあり得ない「大政奉還」が成立した理由も理解できやせん。 日本は素晴らしい精神文化を築いた国だと、改めて誇らしく思いやす。