年末の今時分、ホントに来てくれたらなぁと、切に願う存在。
赤いもの身に纏って、たくさんの贈り物を持ってきてくれるあの方。
子供の頃からなんとなく好きで憧れてた、夢のヒーロー。
そう、赤い服着て白ヒゲのメタボな爺さんではなくて、赤いヨダレ掛け着けた笠地蔵様でやんす。
ガキの頃、サンタは子供にしかプレゼントをくれず、大人は詰まらないなあと悲嘆に暮れたもんでやんす。
ところがどっこい、日本にも、真面目で清く慈悲深い大人には、ちゃんとプレゼントを届けてくれる笠地蔵様がいらっしゃる。
そんな存在を知ったとき、子供心に、世の中もなかなか捨てたもんじゃないと思ったわけでやんす。
プレゼントも、正月用のお餅や食料がメインというのも、なんともほんわかとした民話の世界観が、日本らしくて実によい。
大人になってホントに欲しいのは、おもちゃじゃなくてお餅。
お餅を手にしたお爺さんとお婆さんが、ニコニコ顔で元旦を迎える画を思い浮かべては、ハートウォームになったもんでやんす。
それからうん十年、日本は年金崩壊で老後に不安のある国になっちまいやした。
主人公のお爺さんとお婆さんに近付きつつある今、笠地蔵様からの年越しの餅の恵みの有り難さが身につまされやす。
その有り難さが判らない輩には、まつりごとは任せられないと、つくづく思う年の瀬でやんす。