今朝の天声人語。
道徳が教科に格上げされることに付随して、昔の修身は良かったと、行き過ぎた懐古主義に警鐘を鳴らすというのが主旨。
よく聞く、昔は良かったというセリフに、ホントにそうなのか、懐疑的に考えてみてもいいのではと言いたいがため、女性の化粧を例として引用。
最近、電車の中で化粧をする女性が出現して、昔はなかったと思ったら大間違いだ、とか。
実は、1935年の朝日本紙に、感心しない、人の見ない場所でしなさいとあったらしい。
ただ、それは意味が違いやす。
それは、人前ではしたないという旧い倫理感で駄目出ししたもので、当時見掛けたのは、銀座のホステスが出勤前やOLが逢い引き前に、車内やベンチに座ってささっと手直ししてたもの。
そのような形で、本人が恥ずかしいと思わないなら構わないという程度の話。
最近の問題は、朝の満員電車の中で、立ったまま、新聞でも見る感覚で、コンパクトを見ながら、ファンデーションや口紅やマスカラを塗ったりしてる輩が多く見掛けること。
それは、はしたないとか、女性らしさとかの道徳観念に全く関係なく、電車の急停車や大きく揺れた場合、隣の人の衣服を汚す恐れが非常に高いから駄目だという話でやんす。
だから、同様の理由で、満員電車で立ったまま、鞄から飲み物を取り出して飲んでるような輩は、駄目駄目ってことでやんす。
今日の天声人語は、そこの本質的問題点を見誤ってるので、説得力がありやせんな。