朝の出勤時の電車の中での時間の使い方は、他人様に迷惑を掛けない限りにおいて、人それぞれでやんす。
やつがれは、車内では新聞を読みやせん。
何故なら、毎朝、家で新聞を一通り読んでから出掛けるのが社会人の常識と教わり、車内で読むのは、その時間も作れないほど寝坊したと他人様に発表してるようなもんだからでやんす。
また、やつがれは、イヤホンで音楽を聞きやせん。
一時期、したことがありやすが、朝の車内ではどんなに音を絞っても、隣の人に耳障りにならないか気になって、聞いてる気がしないからでやんす。
また、やつがれは、携帯をいじりやせん。
どんなに上手く操作しようとしても、携帯本体のみならず、腕や肘を周りの誰かに接触せずに利用することが、非常に困難だからでやんす。
では、何をしているかというと。
それは、その日の仕事に優先順位を付けたり、仕事の組み立て方を練ったり、その日に会う取引先の方との話題を探したりする黙考の時間に当てておりやす。
とても貴重な時間でやんして、それで退屈したことがありやせん。
今朝も、そうしておりやした。
というか、そうしようと思ったら、思わぬ邪魔が入りやした。
それは、前の若い男が付けてると思われる、膏薬の匂いが鼻に突いてたまらず、黙考もままならないのでやんした。
別にやつがれも、バスの中で、お年寄りから発する膏薬の匂いであれば、別に気にもとめやせんぜ。
でも、朝のラッシュ時の井の頭の一番渋谷寄りの混む車両に、周りにプンプン匂う膏薬を付けて乗り込むのは、KYにも程があると思いやすがねえ。
まして、それがサラリーマン風の若い男とあっては、そういうことにも配慮できないようでは、ろくな仕事もできないと思われるだけでやんすぜ。
たった百数十円で乗ることができるのは、電車は、皆が自分のエゴを我慢して乗るのが前提の乗り物だからでやんす。
それが嫌な方は、タクシーにお乗んなさい。