この日が来ると僕は悲しくなる。
いつもは可愛い目をしたアイツが、とんでもなく陰険な目つきに変わって、
これ以上ない悪者のような顔になって、僕を睨んでくるんだ。
これ以上ない悪者のような顔になって、僕を睨んでくるんだ。
それを見ると、僕の身体の内側から何か得体の知れないものが膨らんできて、
僕は、苦しくて苦しくて、どうしようもなくなってしまう。
僕は、苦しくて苦しくて、どうしようもなくなってしまう。
しまいに、僕の身体の殻が弾け飛んでしまったような感覚を覚えて、
その瞬間、余りの苦しさに僕は意識を失ってしまう。
その瞬間、余りの苦しさに僕は意識を失ってしまう。
そして気が付くと、僕は自分が一体誰なのか判らないぐらいに変貌し、
アイツと同じ目つきになって、睨んで立ってるんだ。
アイツと同じ目つきになって、睨んで立ってるんだ。
それを見て安堵したかのようにアイツが、薄笑みを浮かべて、
僕に突進してくる。
僕に突進してくる。
そう、僕は戦うしかないんだ。
これが、僕の身体に植え付けられた宿命なんだ。
これが、僕の身体に植え付けられた宿命なんだ。
僕の頭の中からは、普段はアイツとじゃれ合ってることなんか吹っ飛んで、
嬉々として戦いの渦に飛び込み、そして思う。
嬉々として戦いの渦に飛び込み、そして思う。
アイツにだけは負けられない。
何があっても、アイツにだけは負けられない。
何があっても、アイツにだけは負けられない。
その思いだけで、僕とアイツは何度も死闘をくりひろげてきた。
死闘が終わると、僕の体からふっと何かが抜け出て、僕は僕に戻る。
アイツも、いつものアイツになっている。
アイツも、いつものアイツになっている。
何で戦うかは判らないけれど、僕はそのたびに、
自分の内なる何かが、少しずつ大きくなっていることに気付くんだ。
自分の内なる何かが、少しずつ大きくなっていることに気付くんだ。
だから僕は、最近では、悲しみだけではなく、
誇りを持ってこの日を迎えることができるようになったんだ。
誇りを持ってこの日を迎えることができるようになったんだ。
僕は理解したんだ。
これが大人になっていくってことなんだ、と。
これが大人になっていくってことなんだ、と。
だって、父さんが言ってたんだ。
戦い方を知らずに、大人にはなれない、って。
戦い方を知らずに、大切なものは守れない、って。
戦い方を知らずに、大切なものは守れない、って。
僕はいつか大切なものを見つける日のために、今日を迎えてるんだ。
だから今日は、絶対に負けられない。