目薬必携

うかうかしている内に、ナオもベテランの域に入ってきたなあと思ってたら、
自分の次男坊も、小学校を卒業する年齢になっておりやした。

職場のスケジュール表には、卒業式のため年休取得と書き込みやしたので、
これでとんでもない事さえ起こんなきゃ、しっかり出席することができやす。

一方で、四年前の長男の卒業式に出席したときのことを思い出すと、
赤面してしまうわけでやんす。

卒業生入場と同時に、大太鼓などの鳴り物入りの演奏が体育館に響き渡り、
それに心を揺すぶらされたのか、幼児の頃からの想い出が湧き上がりやした。

そうなると、もうだめでやんす。
涙が押さえられず、周りの様子をそっと伺いやした。

みんなニコニコと笑顔で、冷静に手拍子を送ってる…
入場のときから、涙が溢れかえってパニくってんのはやつがれだけかい。

あとは、いかに隣の嫁に気付かれずに涙を拭うかなんでやんすが、
せっかく苦労して拭いても、次の歌が始まるとまたリバウンドする始末。

それを考えると、出席するのは気が重いんでやんすが、
人生の節目ごとは、やっぱりこの目で見といてやりてえしねえ…

まさか、タオマフ巻いてくわけにいきやせんので、
目下、花粉症の目薬でなんとかゴマかせねえかと画策中。

でも、かえって目立つだけでやんすかねえ。