ウルトラマンが、今年の新作「ギンガ」で28作目となり、派生TV番組の数が最多ということで、ギネスから世界一の認定を受けやした。
ガンダムのことが全く分からない、ウルトラマン世代としては、感無量の嬉しさでやんす。
ウルトラマンは、紛れも無く、正義のヒーローの標準となりやした。
ウルトラマンという分かりやすいネーミングと、シンプルな造形美が、今日まで続く大ヒットの要因であることは間違いありやせん。
でも、何と言っても大ヒットの一番の理由は、その絶対的な勧善懲悪の世界観でやんす。
怪獣という絶対悪は、何をしてもやっつけて、叩き潰さねばなりやせん。
なんで攻撃するのか問われれば、「だって怪獣だから」の理由で充分でやんす。
ところが、ウルトラマンシリーズの魅力は、怪獣を絶対悪とすることへのアンチテーゼも、ちゃんと包摂されていることにあるわけでやんす。
初代ウルトラマンでは、宇宙で怪獣墓場が発見され、怪獣は怪獣として生まれてきたかったわけではないのかもしれないと、怪獣の葬式が執り行われやした。
ウルトラセブンでは、地球の先住民であるノンマルトが描かれ、実は、現地球人の方が、実は侵略者なのではという問いが投げ掛けられやした。
未発表作品のシナリオには、カナンガ星人の問いに、ウルトラマンは、地球人が宇宙の侵略者になったとき、全能力を地球人の阻止に降り注ぐことになると答えておりやす。
見方を変えると、善悪が逆転することも有り得るという発想こそ、ウルトラマンとともに成長してきた日本人のグローバリゼーションと一致してるようにしか思えやせん。
ウルトラマンは、決して、子供だましのドラマではありやせん。
ギネス世界一の冠に、相応しい作品群だと思いやす。